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2008.06.06

VOL.697 前にも書いた気がするけど、酔ってるから気にしない

 こんにちは、武中です。

 前回、行きつけの店が立て続けに閉店してしまった悲しみを書き申しましたが、その悲しみを癒すため現在自分の中ではエースと呼べるお店にいきました。
 通常、必ず頼むメニューを決めて、常連としての己をアピールするという江戸っ子が寿司屋で常連になるための苦行の一部をまねする愚かな馬鹿者を演じるのですが、このお店では基本的に同じ酒は頼まない、というチャレンジスピリッツを店側にアピールしています。
 いろんなお酒を飲める楽しみがあるのですが、一方で実はつらいこともひとつ。お店の人が、注文した酒の評価をその都度聞いてくることです。腐っても、高校時代は綺麗事を書かせたら学年一と呼ばれ、当時から美辞麗句と中身のない文章に定評があった作文士。それが、ぼくですよ。店主からの問いかけに、毎度毎度「おいしいです」だけで済ますのは、往時の名声を汚してしまいます。実力に不釣合いな超弩級のプライドを持つぼくは、価値のない名声でもがんがんにカテナチオです。
 というわけで夜な夜な「フルーティな味わいとは対照的な、鼻腔を刺激する猛々しいまでの香ばしい香りにこだわりを感じますね」、「徹底したまろやかさの追求はビールという枠を越え、もはやこれは新しい酒といっても過言ではありませんね」などとのたまっております。
 酒はうまいのですが、はっきりいって酔っていられません。一口一口、味を分析し、それを単語に変換し、その単語を文章としての説得力を持たせるためにさまざまな組み合わせを検討。そして、飲み終わったころにやってくる店主に向かって、とうとうと感想をのべます。
 しかし、嫌だとはいっても、たまにお店が忙しくて店主が感想を聞いてくれないとちょっぴり寂しい。そんなめんどくさい年頃なんです。

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