01:おはなし

2008.07.18

ぼくとお兄様と女の子

 こんにちは、武中です。

 引越しをしました。以前は、アニメミュージアムで有名な上荻でしたが、今度はマッドハウスがあることで有名な荻窪です。マッドハウスといえば、マスターキートンや十兵衛ちゃんですが、今回の話にはあんまり関係ないので本件に関しては割愛します。
 さて、引越し当日です。ぴんぽーん、と呼び鈴がなりましたので外に出ると、こわもてのお兄様。ひいっ。お兄様はにっこり笑うと「こんにちは、引越し屋です」とおっしゃりました。ふう。
 ぼくは、「よろしくお願いします」というと、お兄様も「よろしくお願いします」とおっしゃり、そして「こちらは、アシスタントです」とお兄様が助手の方を紹介してきました。

「きょうは、よろしくおねがいします」

 女の子だ。親方、親方。女の子がやってきたよ!
 すみません。取り乱しました。大手では、女性だけの引越しスタッフなんてのを売りにしてるところもあるし、珍しいことではないんでしょうね。
 さて、所詮は一人住まいです。荷物の量なんてたかが知れています。搬出作業は手際よく進み、唯一ベッドだけがきつそうでしたが、エレベータにも無事入り部屋の中はからっぽです。引越し屋さんはトラックで転居先に向かい、ぼくは折りたたみ自転車にまたがって転居先へ向かいます。
 引越し屋さんより先に到着。その5分後、トラックが到着します。そして、こわもてのお兄様が部屋に来ていいました。

「ここの階段では、ベッドが入りません」
「そうですか…」
「そこで、ベランダから吊り上げて、部屋の中に引き込みます」
「おお!」
「そこで、相談があるのですが」

 お兄様がいうには、この作業はお兄様と女の子だけではムリで、ぼくの力を借りたいといいます。そりゃあ、こわもてのお兄様のお願いなんて断れないし、なによりも女の子を助けるという大義名分はぼくの武士道をくすぐります。ぼくは、ふたつ返事でOKします。
 まず、ベッドを紐で縛り、ぼくとこわもてのお兄様が上から引き上げ、女の子が下から持ち上げます。ある程度持ち上がるとお兄様が女の子に向かって「来い!」と叫びます。女の子は、ダッシュで部屋に上がり、3人で引き上げます。しかし、なかなか持ち上がりません。

「ポジションを変える!いったん、手を離す!」

 お兄様はより力が入れやすいように、ベランダの塀の上に乗りあがり、そこから引き上げるとのことです。しかし、そのためには一次的に、ぼくと女の子でベッドを支えなければなりません。
 ちなみに、ぼくはただでさえ貧弱なのに、この数日の引越し準備でヒジと腰に違和感を覚えており、かつ手術した左膝も最近だいぶ具合がよくありません。そして、この女の子ですが、どうみてもただの女の子です。非力ではないにせよ、アニマル浜口の娘とかそんな感じはいっさいありません。

「いくぞ!」

 こわもてのお兄様が手を離します。

「くっ!」

 これは、想像以上にきついです。ちらりと、横を見ると…、

「うううっ」

 うううっ、って。ダメそうです、女の子。まずい、ぼくらふたりの戦闘力があまりにも低すぎます。しかし、武士たるものできるできないなど取るに足らないことです。ぼくの中の士魂が萌え盛り、脳内アドレナリンを強制分泌。「ふぬうううううううううう」と出力120%で引き上げます。

「よし、よく耐えた」

 そこで、お兄様が塀の上のポジションをキープし、この絶望的な戦いに希望の光をもたらしました。なに、この男前な登場の仕方。
 ですが、ぼくも女の子もすでに限界を超えています。頭の中には「手ぇ、離しちゃいなよ」と悪魔がささやき、「よくやったよ、パトラッシュ。ゆっくりとお休み」と天使がささやきます。正直、脳内議会は賛成多数であきらめかけていたのですが、ぼくの視界のはしに女の子がうつります。

「ふええええええええええええ」

 泣きそうです、女の子。すでに力尽きかけていたぼくですが、「ふええええ」といってる女の子を救えなくてなにが武士か、なにが三井寿かっていうんです。ぼくは、脳内の片隅に監禁されていた安西先生をランボーがごとく救い、メインシステムを「あきらめたら、試合終了だよ」モードに切り替えました。
 安全装置解除。機関、臨界点突破。出力150%。
 とたんに悲鳴をあげる2本の腕。腰は破壊的な痛みを覚え、両足はつりかけています。それでも、全筋力、全体重をかけてベッドを引き込みます。
 そして、ベッドはゆっくりですが確実に引きあがり、なんとか部屋に入れることができました。あと少し長引いていたら腕か腰か足か、いずれかが壊れていました。なにはともあれ、よかったよかった。

「お客さん、すごいがんばってくれました!すごいですよぉ」

 その笑顔が見られるのならば、このぼくに不可能はないさ。なんてことを思う余裕すらなく、「どうだ、父ちゃんすごいだろ」とつぶやいた小岩井さんのようにぐったりしてました。
 おかげで、部屋を片付ける余力は残っておらず、そして、仕事も始まってしまうとなかなか時間がつくれず、なんだか倉庫で暮らしてるような感じです。ま、別にいいや。どうせ、ひとりなんだし。

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2008.06.06

VOL.697 前にも書いた気がするけど、酔ってるから気にしない

 こんにちは、武中です。

 前回、行きつけの店が立て続けに閉店してしまった悲しみを書き申しましたが、その悲しみを癒すため現在自分の中ではエースと呼べるお店にいきました。
 通常、必ず頼むメニューを決めて、常連としての己をアピールするという江戸っ子が寿司屋で常連になるための苦行の一部をまねする愚かな馬鹿者を演じるのですが、このお店では基本的に同じ酒は頼まない、というチャレンジスピリッツを店側にアピールしています。
 いろんなお酒を飲める楽しみがあるのですが、一方で実はつらいこともひとつ。お店の人が、注文した酒の評価をその都度聞いてくることです。腐っても、高校時代は綺麗事を書かせたら学年一と呼ばれ、当時から美辞麗句と中身のない文章に定評があった作文士。それが、ぼくですよ。店主からの問いかけに、毎度毎度「おいしいです」だけで済ますのは、往時の名声を汚してしまいます。実力に不釣合いな超弩級のプライドを持つぼくは、価値のない名声でもがんがんにカテナチオです。
 というわけで夜な夜な「フルーティな味わいとは対照的な、鼻腔を刺激する猛々しいまでの香ばしい香りにこだわりを感じますね」、「徹底したまろやかさの追求はビールという枠を越え、もはやこれは新しい酒といっても過言ではありませんね」などとのたまっております。
 酒はうまいのですが、はっきりいって酔っていられません。一口一口、味を分析し、それを単語に変換し、その単語を文章としての説得力を持たせるためにさまざまな組み合わせを検討。そして、飲み終わったころにやってくる店主に向かって、とうとうと感想をのべます。
 しかし、嫌だとはいっても、たまにお店が忙しくて店主が感想を聞いてくれないとちょっぴり寂しい。そんなめんどくさい年頃なんです。

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2008.06.04

VOL.696 驕らずとも久しからずというわけです。

 こんにちは、武中です。

 先日、行きつけの飲み屋が閉店しました。思えばその店は、ぼくが始めてひとりで飲み始めた記念すべきお店。もっとも、それが喜ぶべきことかどうかはわかりませんし、ぼくのなかの外務省は孤立無援の現状に苦言を呈すること山の如しです。
 さて、これまでどんな店がつぶれようが「残念だね」の一言ですんでいたのですが、今回それを知ったときの喪失感たるや驚愕のレベルです。むしろ、そんなにショックをうける自分自身にショックを受けました。
 いやもう、通い始めたころから、「この店は遠くない将来つぶれる」と思っていましたが、店主の奥さんが別のところでしっかり働いていることもあり、なんとか持ちこたえるだろうと思っていましたが…、残念。
 それから、約10日後。行きつけの洋食屋さんが、つぶれました。開店当初から、やばいかもと思ってましたが、こちらは予想以上に早い段階での閉店。願わくば、再会するための早期撤退と思いたいところです。
 ともに、味はよかったのですが…。昔からそうなんです。ぼくが好むものは、すべてぼくの前から消えていくわけです。店も、人も、なにもかも…。だから、ぼくはすべてを拒絶するのです。もうなにも、失いたくないから…。なんてのは、なんか厨二病っぽいフレーズですな。

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2008.05.29

VOL.693 たとえ、真実を捨てたとしても

 こんにちは、武中です。

 先日、飲み会にいったのですが、かねてよりその飲み会の連中から「やーい、おたく、おたく」とはやし立てられること火の如しでした。ぼくは、正直なところおたくではなく、普通です。どこらへんがというと、書くことがないくらい普通です。たまに、ちょっと、うっかり、つい、ふと、そこはかとなく、見るに見かねてアニメを見ているような気がしているだけです。
 というわけで、ぼくは常々彼らからの言われなき誹謗中傷に発言の撤回と謝罪を要求していたのですが、ほとんど効果はありません。しかしですね、こうただただ言われるのも少し癪に障ります。もう、おたくとか、おたくでないとか、どうでもいい。ぼくは、攻撃にさらされる今の自分のポジションが武人として我慢できません。というわけで、ぼくは反撃を開始。
 禁則事項により詳細は語れませんが、結果を申し上げますと、「君たちに、ハルヒの何がわかる? 長門の何がわかるというのだ?」から始まる演説を前に彼らは劣勢に回ります。武器も持たず戦場に足を踏み入れた愚者に、情をかけるほどお人よしじゃありません。さあ、見せてあげましょう、ぼくの世界を! 語るべき言葉を持たぬ愚者たちよ、アウフ ヴィーダーゼーエン。
 「わからない、わからないよ! 武中君が何を言っているのかわからないよ!」と期せずしてシンジのような言葉を口にしとまどう彼ら。もう、おたくという誤解は生涯とけない気もしますが、とりあえずこの場のイニシアチブはとったからよし。この前、女子の人に「おたくは、ちょっと…」っていわれたけれど、とりあえずよし。とりあえずよし。

「武中さんは、鶴屋さん?」

 そうでなくはないにょろ。

 ではなくて、その日の飲み会に同席していた女子のひとりが、右往左往する男子どもを尻目にぼくの独壇場に参戦。ほう、君がこのぼくの相手を? いいでしょう、マドモアゼル。全力でかかってきなさい。存分に迎撃してさしあげましょう。
 相手の力量をさぐる威力偵察的発言。威力偵察の規模から相手の保有知識を予測したうえでの、反転攻勢。知識量を背景とした絨毯爆撃。形勢逆転を図る得意分野での一点突破。内容はともかく、実にインテリジェンスなひとときでした。
 そういえば、こういう話を人としたのってはじめてかも。たまには、知的会話を嗜むのもよいものです。

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2008.05.26

V0L.691 ホームランとアルパカとふたりと

 こんにちは、武中です。

 前々回に続いて、前回もnitaさんから、例の話の続きを要望されました。頼まれれば断れない、そんな情に厚いぼくですが、先日からファミスタのブログパーツを設置しました。いやあ、こいつははまります。はい。
 更新しようとして、すな部にアクセスするのですが、ついつい左サイドに設置してあるファミスタのホームラン競争を開始。別に高いゲーム性もないし、ボタンを押すだけの単純なもの。でも、「目標を芯にとらえてスイング。目標を芯にとらえてスイング。目標を…」と、ぼくは死んだ魚のような目をしてファミスタってました。
 ま、ついでなので、ぼくが好きなファミスタ選手ベスト3をあげます。

3位 ぼすこ

弱小ナムコスターズの守護神。インコースへのシュートと、追い込んでからのカーブが絶妙。なによりも、けったいな打撃システムがステキでしたが、このあたりに言及するとかつて3歳を自称していた身としては自我崩壊してしまうのであえて語りません。

2位 えんどう

140キロを越える速球と少年の心に憎悪の念を芽生えさせるフォークボール。いつもは仲の良かった近所のおぐり(仮名)君も、「えんどう」が出てくるとピリピリ。「フォークボールなんて、よく音を聞けばわかるよ!」「ぴゅー!」「ずるいよ、武中君!音聞こえないじゃん!」「レイルウェイズつかってんだからいいじゃん。こっちは、大洋だぜ、大洋」などという、会話を交わしたのもいまでは、懐かしい思い出です。

1位 やしき

時代を感じる愛称「スーパーカートリオ」の先陣を切るのが、やしきです。なんといっても、そのスピードが魅力的。ぴののような、反則的な速さではないのですが、それでも速いです。ちなみに、本物の方は確か、50メートルを5秒で駆け抜け、弱小大洋のシーズン中のうっぷんをプロ野球大運動会で晴らしていました。ちなみに、本物のえんどうもかなりの俊足でした。

 …そんなわけで、前回の続きその1です。

 アルパカの群に囲まれ「すわ、ここまでか」と覚悟を決めかけていましたが、「旦那ぁー、早くこっちですだ!」という声が聞こえました。逃げたと思った相棒が、フェンスの向こうで叫んでいます。ぼくは、脱兎のごとく駆け出し、フェンスの向こうへと逃げました。

「…逃げたかと思った」
「へへへ、あっしが旦那おいて逃げやしませんよ」
「…ところで、なんでアルパカは襲ってこないんだ」
「アルパカは、フェンスの中を縄張りとしてるんです。外へは出てきやせん」
「しかし、まいったな」

 フェンスからは出てきませんが、アルパカはそのフェンスにへばりつき「ヴぇえええええ」と叫んでいます。そして、よくよくその顔をみていると、どのアルパカも涙を、黒い涙を流していました。

 疲れてきたので、早々に前回の続きその2を片付けるとしましょう。

「今、何してるんですか?」
「普通に働いてるよ」
「結婚は?」
「してないねぇ」
「なんでですか?」
「なんでっていわれてもね。いないし」
「そう…なんですか」

 そして、少しの沈黙。手元にあったビールジョッキを手に取り、口をつけるも中身はなく。

「なにか、飲みます?」
「そうだね、じゃあ同じので。朝倉さん(仮)は?」
「えーっと、私はウーロンハイにします」
「注文、ですか?」

 右隣に座っていた、西尾(仮)さんが声をかけてきます。ぼくは、廊下側に近い西尾(仮)さんにまとめて注文をお願いします。注文が終わると、西尾(仮)さんが振り返りました。

「…覚えてますか?私のこと」
「もちろん」

 ぼくが3年時の1年生だった部員の名前はうろ覚えでしたが、2年生とは付き合いも長いので記憶しています。西尾(仮)さんは、ぼくが3年のときの2年マネージャーでしたから、しっかり記憶しています。

「西尾(仮)さん、でしょ」
「覚えててくれたんですか、武中センパイ」

 じーん。よいね。「センパイ」ってフレーズは、何度聞い<中略>、これで3回目です。






 …さすがに、これ以上ひっぱるのは良心が痛みます。

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2008.05.21

VOL.690 それすなわち一夜の夢と見つけたり

 こんにちは、武中です。

 nita坊から前回の続きを読みたいというお話を承りましたが、そんなことよりあれ、昨日見た夢の話ですよ。はい。

 ぼくは、瓦礫に埋もれる町で、ひとりたたずんでいました。すると、物陰からひとりの女性がやってきて、ぼくにいいます。「娘を、娘を探してください」と。
 聞けばいつのまにか、娘とはぐれてしまったとのこと。義を見てせざるはなんとやら、ってわけでぼくは捜索にでかけます。
 いつのまにか、ぼくの相棒というポジションに納まった知らない人と、いろいろな場所を探し回り、金網で囲まれたスラムっぽいところにたどり着きました。

「あとは、ここだけだね」
「旦那、ここはまずい。アルパカのなわばりですぜ」
「…なんだっけ、アルパカって?」
「早く、早く逃げやしょう。やつらが来ますぜ」
「まて、あの小さいのは、探している娘では?」
「ああ、だめだぁ!」

 と頼りない相棒が逃げ出すと、四方からアルパカが猛然と現れました。思い出しました、アルパカってのはらくだの変なヤツです。(以下のURL参照http://images.google.co.jp/images?q=%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%91%E3%82%AB&sourceid=navclient-ff&ie=UTF-8&rlz=1B3DVFA_jaJP238JP274&um=1)

 しかし、夢に出てきたアルパカは顔と首こそアルパカですが、なぜか二足歩行で人間のような手足を持ちます。それが、十数匹の徒党を組んで「ヴヴェエエエエエエエエ」とか鳴きながら襲い掛かってくるのです。こわい、アルパカこわい。

 というような夢を見ました。…見えますよ、はい。あなたの不満そうな顔が。ただでさえ、どうでもいい話ばかりなのに、本当にどうでもいい話だと思ってますね。ははは、その通りだよ、ワトソン君。

 …ち、仕方ねえなぁ。前回の続きです。

「それで、朝倉(仮)さんはいまどうしてるの」
「普通に働いてますよ」
「結婚は?」
「…今は、ひとりです」
「そう。ま、いろいろあるさね」
「武中センパイは?」

 じーん。よいね。「センパイ」ってフレーズは、何度聞いてもよいものです。野球やっててよかった。21世紀になって、そう思えるようになったのは、これで2回目です。

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2008.05.20

VOL.689 いちばん熱かったあの夏の日がきこえる

 こんにちは、武中です。

 先日、高校時代の野球部の同窓会的なものがありました。正直、気乗りがしません。別に野球部を追われたとかいう、柏葉英二郎的な思い出があるわけではありません。だって、野球部ですよ。ちょっと、考えればわかるでしょう。
 今のぼくに必要なのはなんですか? よし、西村答えてみろ。…うん、うんうん。そうだな。野球部ってのは男ばっかりですよ。友情よりも愛を最優先事項とせねばならぬ、このご時勢になにが悲しゅうて野郎ばかりの会合にいかにゃあならんのですか。
 しかし、渡世の義理を欠くとあっちゃあ、女人からの覚えも悪いというもの。ぼくは、しようがないかと、重い腰をあげました。
 同窓会開始時刻より遅れること、一刻ばかり。先に会場である居酒屋に着いていると思われる友人に、「だれの名前で予約をとっているんだ?」といれました。すると、「朝倉(仮)だ」との返信がありました。朝倉(仮)…、記憶にありません。はて、だれだろう。
 「だれ、それ?」とメールをいれると、「1年の朝倉(仮)だ」との返信がありました。今回は、三学年合同の同窓会。そんでもって、部活での付き合いが半年もない1年の名前を覚えていないのは、世の必然というものです。
 そして、会場に現着。店員に「朝倉(仮)で予約をとっている席に案内いたせ」というと、「着いて来い」と歩き出しました。そして、「ここだ」と示された部屋の戸を開けると、…だれ?
 扉をあけると、なにやら女人がいますよ。もしかしたら店間違えたかも、と弱気になったところで「おおおお、武中ぁー!」と野太い声が。とよくみれば、女人の塊の奥にむさ苦しい野郎どもが。
 そう、思い出しました。ぼくの代は女子マネージャーがいなかったのですが、1年の代には確か7人もいたのです。ちなみに、1年の男子部員は7人。人数的には個人個人にマネージャーがつくという、理論上はちょっとした芸能人並の贅沢さだったのです。そこに、2年の女子マネージャーを加えれば、約10人。集まった男子部員が約20名だったことを鑑みても、それは立派に師団としての体裁を整えております。やっぱり、渡世の義理ってのは欠いちゃあいけないね。生きてるって、スパシーバだよ。
 しかし、問題は女子師団の面々の7割が名称不明です。兵法の大家、孫氏はいいました。「彼を知り己れを知らば、百戦して殆(あやう)からず」と。情報収集は、戦争の基本です。ぼくは、黒木(仮)にたずねました。

「おい、黒木(仮)。ちょっと教えてくれ」
「みなまで言うな。オレにもわからん」
「使えんやつだな。孝太郎(仮)、お前はわかるな」
「自分は2年でしたから、1年とは付き合い長いっすからね」
「じゃ、右から名前をいっていけ。ただし、気付かれぬようにな」
「へへへ…。実は、自分にもわからないっす」
「まったく…。佐々木(仮)!」
「は、はい。えーっと、右から朝倉(仮)さん、新田(仮)さん…」

 持つべきものは、佐々木(仮)です。プレイヤーとしてはアレでしたが、頭脳明晰な佐々木(仮)は抜群の記憶力を発揮し、次々と彼女らの名を明かします。よし、準備万端。プレイボールです。

「久しぶりだね。朝倉(仮)さん」
「武中センパイ、お久しぶりです」

 じーん。よいね。「センパイ」ってフレーズは。野球やっててよかった。21世紀になって、はじめてそう思えるようになりました。

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2008.05.12

VOL.688 繁栄に否定を、週末に殺戮を

 こんにちは、武中です。

 先週の土曜日、少し気合をいれて水回りの掃除を行いました。これからの時期、湿気と気温が上昇すれば、水回りは菌たちに大いなる繁栄を許してしまいます。
 ゆえに、ぼくは菌に災厄を振りかざす悪魔となることを決意。ぼくは、台所下にある武器庫から、さまざまな対細菌用化学兵器を取り出しました。くくく、逃がしはしません。さあ、パーティの始まりです。
 マジックリンや泡の力でぼくは菌という菌を虐殺。落ちろ!落ちろ!落ちろ!あはははは、見たかこれが科学の力というものですよ。
 一方的なジェノサイド。恐るべし勢いでシンク上の菌は殲滅されます。こうして、表面上は菌に大打撃を与えましたが、もちろんこれで終わりではありません。ぼくは、比叡山を焼き払った第六天魔王信長のごとく冷血な男です。
 取り出したるは、排水溝の除菌殺菌をおこなう丸薬。地下にもぐったレジスタンスも、これでジ・エンドです。ポトリと手から落ちた悪魔の丸薬は、排水溝内を地獄のプールに変えました。
 シンクと違い排水溝での殺戮は、まったく実感のないものです。ぼくは見えもしないのに排水溝を覗き、阿鼻叫喚の図をしばし想像しました。

「げふっ!」

 水と反応し勢いよく有害物質が立ち上る排水溝を除いていたぼくは、腐海で毒の胞子を吸い込んだ姫様のようにむせ返りました。
 「少し肺に入った」なんてナウシカごっこをするゆとりもなく、咳き込むぼく。唾を吐き出すと、ほんのり桜色。血を流さない戦争などない、ぼくは焼け付くのどをおさえながらそんなことを思いました。

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2008.05.07

VOL.686 それでも笑顔は忘れないというシステムがある

 こんにちは、武中です。

 先日、体をちょっぴり壊したわけですが、よいことがふたつ。ひとつは、前回書きましたがダイエットができたこと。そして、もうひとつはアルコールを摂取したくなくなったことです。
 体調自体は復調したのですが、どうにもこうにも飲む気が起きないのです。しかし、こいつは好都合。最近、目に見えて増えていた酒量に自分自身嫌気がさしていましたので。
 そんなある日のこと。死ぬまで頭のあがらぬ人物と酒席をともにする機会がありました。もう、ここから先は書くまでもないわけで。
 その日はジョッキの中身が半分を切ると、自動的にビールが追加されるシステムとなりました。しかし、ぼくにはけったいなシステムがインストールされていて、つぶれてはいけない人の前では、意識を失っても平時と変わらぬ振る舞いができるのです。ぼくは、気を失いつつもファイティングポーズをとるボクサーがごとく、アルコールを摂取しました。
 アルコールによる自我崩壊をけったいなシステムで封じ込め、 「今日はごちそうさまでした」とにこやかにその場を切り抜けました。そして、ひとり帰路についたところで…。いや、もう、ここから先は書くまでもないわけで。
 当分、アルコールはいりません。って思った翌日から、なぜかアルコール摂取に対する忌避感が消えうせてました。どうやら、無理やり摂取したのが、呼び水になってしまったみたいです。うーん。

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2008.04.24

VOL.685 人は苦痛を味わうことで、何事もない日常を喜びと感じる

 こんにちは、武中です。

 先日、会社に着くなり上司から「帰れ。いいから、帰れ」といわれました。世界恐慌のあおりをうけたドイツですか、ここは。来るなり、帰れって。このような、理不尽な振る舞いを許していいものか。否! 断じて、否である。我々はここに…。
 といった不穏なことではなく、問題はぼくの中にあります。体を壊したぼくが、息も絶え絶え出社する様を見て上司がいったわけです。「帰れ」と。

 その前日。ぼくは、体の調子がちょっとおかしいと思い、その日は珍しく定時ちょっと過ぎに帰宅。それは、ギリギリのタイミングだったらしく、電車に乗ってる最中どんどん体の具合がおかしくなり、自宅につくなりピーク。熱は40度近く急上昇。さらに、ぼくの上下水道は完全に決壊し、一睡もすることなく体内成分を放出し続けました。
 いやあ人間ってのは、中にいっぱい詰まってるんですねぇ。苦しみ悶えながら、そんなことを思いましたよ。

 そして、翌日。打ち合わせがあったため、出社したわけですが、まあ、どこからどうみてもパトラッシュに引きづられてパライソに召されそうな雰囲気。よせ、パトラッシュ。ぼくは、そんな萌えない絵を見たくらいじゃ、死ねないよ。
 そんなわけで、打ち合わせ中に強制退去を命じられ、病院送り。めでたし、めでたし。

 翌日、病院から出された薬物のおかげで元気になった気がしましたが、気がしただけ。立ち上がったとたんに、よろめきます。でも、今日も仕事が…。というわけで、無駄に使命感を燃やしてごーとぅーかんぱにー。
 「帰れ」。またもや、上司のこの一言。ぼくが、量産型UDのナンブだったら「手厳しい!」と叫ぶこと間違いなしです。わかりにくいたとえでごめんなさい。全部、病の精です。

 確かに、体内の毒素は出たっぽいのですが、考えてみれば体調を崩してから水しかとっておらず、しかもそんなもんはすべて放出し、体の中はすっからかんです。そら、フラフラにもなろうもんです。
 ここはHPを回復せねば。ということで、固形物を食べようとしたら、吐き気が全開。ひゃっはあ、まるで病人みたいです。

 そう、これが絶対やせると巷で評判の武中式ダイエット。特別な運動やサプリメントの服用などは一切ナッシング。だれでも、カンタンに、あっという間に、やせることができます! 理想の体型も命の保障も確約できませんが、とりあえず目方だけは落ちますよ。ひゃっはあ。

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2008.04.14

VOL.681 心に巣食う闇を払う

 こんにちは、武中です。

 杉並区をこよなく愛するぼくが毎週欠かさずみる番組、それが杉並のケーブルテレビ「BINBINスギナビ!」でした。しかし、2008年4月の初旬を持って番組は終了。後継番組は杉並の街情報番組で、それ自体はまあいいのですが、BINBINスギナビのときのような、なんの役にも立たない(ほめ言葉)、どうでもよさ(ほめ言葉)がやや消失。それは、少し悲しいことです。
 一応、前番組のレギュラーはほとんどでているのですが(リサイクルヤングの人たちとか)、お笑い芸人ヴェートベンは片割れだけ。相方のT.青井氏は、出てきません。不安です。ぼくは、ここ以外でT.青井氏を見たことがありません。もう、二度と「美味!」と叫ぶ彼の姿を見ることはできないのでしょうか。ガンバレ、青井さん。
 でも、ほっとしてるのは、「大地ラヂオ2 アニメっていいよね!」が後継番組でも、なんら変わらず引き続きやっていること。あの「風まかせ月影蘭」の大地丙太郎監督52歳と、杉並区在住美人新人声優伊藤久美子(漢字ばっかりだ)のかけあいは、在京キー局はもちろん、独立UHF放送局でも再現できない独特のクオリティ(ほめ言葉)。アイレムのポンコツラジオに通じるすばらしさです。

 最近、体内の闇物質濃度が高くなってきたので、今日は普通っぽいこと書いてみました。

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2008.04.09

VOL.680 ある春の夜の核の夢

 こんにちは、武中です。

 ここのところずっと眠りが浅いせいか、よく夢を見ます。今朝、初めて夢の中で死にました。てへ。
 なんか核爆弾がふってきて、とっさのことにシェルターに飛び込んだわけです。光と轟音が静まり、外へ出るとそこは廃墟。ガレキの下にはうめき声をあげる人々。
 ぼくは自分かわいさに彼らを見捨て、放射能に汚染された大地から一歩でも遠くへと離れるため、崩れ落ちたビルをすり抜け、小高い丘を飛び越え、空へ、空へと逃げていきました。
 そこで気付いたのですが、なんでぼくはさっきから壁をすり抜けたり、あまつさえ空を飛んでいるのだろう、と。じっと、手を見る。限りなく透明に近い透明。つまり、透けてるわけです。
 ははん、これは死んだね。激しく絶望するでもなく、苦笑いしながら、そう思いました。そして、少しだけほっとしてました。ようやく、終われたかと。
 そして、起床。爽やかな朝。ふふふ、小鳥さん、おはよう。記憶には、ありあり残る地獄絵図。ふふふ。
 そんなわけで、夢診断をしてみました。調べたけれども核爆弾がふってくるというのはなかったのですが、いわゆる戦争ですから、「戦うこと」と同意とみなしました。プラスイメージは、運気の上昇。
 そして、死んでいるわけですから、「殺されること」と同意。プラスイメージは、問題解決。そんでもって、空を飛んだりしてましたので、こちらのプラスイメージは、発想が優れている。つまり、運気が上昇し、問題が解決し、発想に優れているというわけです。絶好調だな、ぼく。
 ちなみにマイナスイメージは、回避できないトラブル、順調ではない、重圧からの自由を求める。…ろくなもんじゃない。寝よう。

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2008.04.07

VOL.679 安息の地は孤独という名の城壁に守られて

 こんにちは、武中です。

 今から4年前の5月。「たのみこむ」というサイトに逆転裁判をユーザーがつくれる、「逆転エディター」というものを発案したのですが、先日http://editor.pc-saiban.jp/index.htmlのサイトで「つくろう!逆転裁判」というものができていました。うーん、びっくりした。

 ま、そんなことはどうでもよろし。

 現在、ぼくは江戸市中のセーフハウスに潜伏しています。だれにも気づかれず、ひっそりと身を隠し続けているわけです。女子供はすっこんでろいってくらい、クールに暮らしています。まあ、どうしてもというなら、女子の人なら受け入れることもやぶさかではありません。お申し込みは、フリーダイヤル・カモンジョシまで。なお、子供は現状どおりすっこんでてください。
 さて、そんなある日のことです。ぼくが所属する特殊部隊の女子隊員が近所に越してきました。もともと同じ最寄り駅だったのですが、引越し先は同じ町内、同じ番地。セーフハウスからの距離、200m。
 とはいえ、だからどうしたって話でさあ。そんなことぐらいで、ガタガタすんなっていうんです。ぼくが花なら、花言葉は「動かざるごと山の如し」。抜群の安定感が売りですよ。この程度のことで、取り乱すなんてことはありもさん。…べ、別になんとも思っていないんだから。勘違いしないでよね、バカ!

 さて、理由は定かではありませんが、最近コンビニにいくのにも、きちんとした格好をしてます。我ながら、不思議なことです。 

 

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2008.03.31

VOL.678 失われた希望の地に響く声音

 こんにちは、武中です。

 ぼくの財布のひもを木っ端微塵にしてくれた、とある書店のおねーさん。しかし、いつのころか姿を見ることがなくなり、地上からは希望が失われて久しい今日このごろです。
 とはいえ、本を読むことはぼくに残されたわずかな楽しみのひとつ。地上から希望は失われても、それが書店に行かなくなる理由にはなりゃしません。
 ぼくは新刊コーナー、文庫本コーナー、ラノベコーナー、コミックコーナーを周回し、「狼と香辛料」を手に取りレジに向かいました。

「いらっしゃいませ」

 この聴覚皮質に直接響くような声音…、釘宮! いや、もちろんただのバイトなのですが、そのあまりにも特殊な音域を駆使するこの新手のスタンド使いは、発声するたびにレジ周辺を異空間へと導きます。
 これが、そういう土地のそういう店ならそういうこともあるよねと思ったりもします。しかし、ここはそんな特殊なニーズを満たすがために、存在しているわけではありません。
 なんでもない普通の街の、なんでもない普通の書店で、いかにも書店でバイトしそうな地味な感じの女の子が釘宮風だったりするわけです。ふっ、やれやれ。この世界も、まんざら捨てたもんではありませんね。
 どうやらぼくは、もう少しこの世界に残らなければならないようです。

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2008.03.26

VOL.677 完全と言う名の醜さ

 こんにちは、武中です。

 最近、時間だけが猛烈な勢いで過ぎてゆき、とりたててユカイなこともない日々です。これじゃあ、いけない。もう少し豊かな人生をぼくは送りたい、そう思うのです。
 というわけで、ブログ「遠き山に日は落ちて・・・」に書いてあった「たりないものうらない」をやってみました。


武中さんに たりないもの を100人に聞いてみました。

睡眠 (30人)

汁 (13人)

足首 (12人)

みそ (9人)

ゆとり (9人)

おしり (8人)

神経 (7人)

給料 (5人)

引き出し (4人)

心拍数 (3人)


 睡眠、うん激しく足りないです。少し、死にかけてますから。

 汁、汁、汁? そもそも汁が足りている状態というのもよくわかりません。

 足首、いや、いらないです、これ以上。

 みそ、これは最近買いましたから、足りてます。

 ゆとり、ないです。いっぱい、いっぱいです。

 おしり、いや、いらないです、これ以上。

 神経、足りてないってのは、ひどく屈辱的なことをいわれているような気がします。

 給料、うん、お金は慢性的に足りてないです。

 引き出し、うん、足りないです。底の浅い人間ですから。

 心拍数、これは足りてます。ぼくは、時折異常なほどの心拍数を刻むぜ血液のビート。


 このうらないをやったbubiさんは、あたっている部分もだいぶあったようですが、なんていうか汁とか、足首とか、おしりとかどう補えというのですか。それともぼくの完全体ってのは、足首とかおしりとかが無数にあり、汁をしたたらせている状態をいうのでしょうか。
 って、ふざけるな。あんまりぼくを怒らせないほうがいい。完全体になりますよ。

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2008.03.20

VOL.676 夜の列車に花咲く数式

 こんにちは、武中です。

 ここのところずっと片足を尸魂界につっこみがちな日常を送っておりまして、ひさしく更新してませんでした。ちなみに、その状況はまだ続いており、そろそろ旅立っちゃおうかな、てへ、っていう心境です。
 さて、そんなある日のこと。いつもどおり、幽鬼のようにフラフラと最終電車に乗ると、頭の中にお花畑が100エーカーは広がっていそうなジャップのカップルがいてはりました。
 ふたりはこんな時間にも関らず、元気一杯。ちなみにぼくは、生きてるだけで精一杯。なんか、ラップっぽいね。というよりは、売れない漫談家のよう。
 閑話休題。そんなわけで、そやつらは必要以上に大きな声でお話に夢中です。聞きたくもないのに、その内容が頭に入ってきます。

「オレ、ヤバイくらい人にカネ貸していんだよね」
「マジ?」
「ザメンホフ(仮名)に10万、チョッチ(仮名)に14万、ギルモア(仮名)に1万」
「へぇー」
「36万だぜ、ヤバクね?」

 ヤバイのは、あなたの計算能力だと思います。

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2008.02.19

VOL.675 神々の戦士達が集う地で

 こんにちは、武中です。

 先日、休日を会社で過ごしていたら、友人からメールが来ました。曰く、「暇か?」と。このとき生まれた殺意は、一般家庭半年分の電気代に匹敵するほどのエネルギーだったといわれています。
 とはいえ、そろそろ仕事をあがろうとしていたので、「暇ではないが、話があるなら聞いてやる」とメールを出すと「話すことなどなにもない。男は黙ってちゃんこ鍋」と返信がきました。というわけで、ぼくは仕事終わりに自宅とは逆方向にある、両国へ向かいました。
 ちゃんこを食うからって、ぼくの友人らはあんこ型ではありません。少なくとも両国という立地を考えれば、ぼくとユカイな仲間たちはガリガリといっても過言ではありますまいて。
 総勢、3名。ぼくらは、とあるちゃんこ鍋屋に行きました。そして、鶏ちゃんこを頼みました。
 とてもおいしい。ぼくはちゃんこ鍋が好きで、それは友人たちも同様でありました。すると、一人の友人が声高に叫びました。「おかわり!」と。ってなにを?
 ちゃんこ鍋2杯目。ぼくは、鍋というものをおかわりしたのは、初めてです。自重しろ、いいおっさんが。
 しかし、ぼくはビールが入ると覚醒します。胃の容量が2バーイ、2バーイになるのです。いつもは、この友人らの食いっぷりに遅れをとりますが、これなら十分に戦えます。三人は鍋の具をひたすら狩り続け、2杯目とは思えぬペースで、瞬く間に中身を胃に収納していきました。く、苦しい。

 「なくなったか」
 「ああ、そろそろ頃合だな。締めるか」
 「こんだけ鍋食ってんだから、すでに締めるもなにもないだろう」
 「おばちゃん、締めってなにがあるの?」

 人の話を聞かない我が友人は、お店のおばちゃんに締めに何があるかをたずねます。すると、うどんとおじやの2種類があると答えました。

 「じゃあ、両方ください」

 締めに何を食べるか、というのは案外悩みところですが、友人にはそんな悩みなど微塵も存在しません。悩むなら、両方食っちゃえ、ほととぎす。両国は人の胃袋を狂わせる街ですなぁ。

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2008.02.15

VOL.674 無力なる時の中で大地へと人は還る

 こんにちは、武中です。

 最近、「太った?」とよくいわれます。しかし、目方はほぼ変動しておらず、いわれなき誹謗中傷か、亡国の陰謀か。プリマドンナの座を狙う何者かが、このぼくを陥れようとしているやもしれません。
 とはいうものの、火のないところに煙は立たぬというハポンのことわざもあります。というわけで、昨年末免許更新した際に手に入れた新免許証と、5年前に発行された旧免許証を見比べてみました。
 なんていうか、目が瀬戸口化しています。わかりやすくいえば、スレッガー化。…つまりですね、目じりが下がっているわけです。明らかに顔面の表層部分が、母なる大地の重力に屈服されつつあります。
 これまで何かに追い込まれるなどし、体重をコントロールしてきましたが、そんな努力も時間の前では無力。生きるとは、無常であります。もういいや、ケーキ食べて寝よ。

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2008.02.13

VOL.673 さらさらと零れ落ちるは銀河の歌劇

 こんにちは、武中です。

 今回は、前回の続きです。くわしくは、前回を。リンクの設定が面倒なので、前回を読んでいない方は、自力でたどりついてください。

<年間酒支出の推移>
Hjpg
縦軸=金額 横軸=西暦
青線=年間総支出 赤線=宅内支出 黄線=宅外支出

 そんなわけで、2004年。年間酒支出は跳ね上がります。しかも、内訳としては宅内支出に著しい伸びが見られます。つまり、酒量がガツンと増えています。
 この年を振り返れば、国家にたてつく(主に労働基準法方面で)とある秘密組織に絶望しきったころ。乾ききった冷たい笑いがデフォルト設定となり、そうそう、「すな部」ができたのもちょうどこのころ。いやあ、困ったときには組織の話を書けばいいとあって、このころはネタに困るということがあまりありませんでした。「すな部」にとっては黄金期でしたが、実生活においてはため息ばかりでした。やれやれだぜ。
 そして、2007年。国家にたてつく(主に労働基準法方面で)とある秘密組織も除隊し、フリーランスを経て現在の特殊部隊に所属。国家にたてつく(主に労働基準法方面で)とある秘密組織とは異なり、業務外でいらぬ労力を負うことはなくなりましたが、その分任務のレベルがあがって四苦八苦。おまけに、靭帯切ったり、ナースさんに振られたりと酒を飲む理由には事欠かなくなり、現在に至ります。
 つうか、2007年はこれまでの酒代支出からすれば異常。2006年から約200%の成長率。この不景気な時代になにをやっているんだ、ぼくは。180,000円って…。2007年だけで、ここ10年の総支出の3割くらいの出費です。
 この酒代があれば、銀英伝のDVDだって夢じゃありません。それに気付けただけでも、今回の企画は成功ですよね。うんうん。

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2008.02.11

VOL.672 赤玉すゐーとわいん、おいしゅうございました

 こんにちは、武中です。

 最近、どうも酒量が多くなってきているような気がします。そこで、記憶を元にざっくりとここ10年くらいの酒支出を図にしてみました。

<年間酒支出の推移>
Hjpg
縦軸=金額 横軸=西暦
青線=年間総支出 赤線=宅内支出 黄線=宅外支出

 ここ数年で、一気に支出が増えていることがわかります(図をクリック)。しかし、そのターニングポイントとなるのは、2000年。ちょっとわかりにくいのですが、この年までは「飲む」といったら宅外であり、一人飲みの習慣もなかったことから、アルコール摂取は特別なことでした。
 ところが、2000年より宅内と宅外でのアルコールにかける費用がトントンになっています。つまり、特別から日常へと変化した時期なのです。
 ちなみに背景としましては、この年、国家にたてつく(主に労働基準法方面で)とある秘密組織に入隊した年。また、この年は伴天連の祭日に想い人と逢引するという信じられない幸運と、なぜかそのとき偶然顔をあわせた想い人の同僚(男)が逢引に合流するというハプニングがあったりと、ネタの当たり年。惜しむらくは、このときまだ「すな部」は存在しなかったこと。って惜しくない。
 閑話休題。総支出額はそう変わっていませんが、宅内飲酒が増えたため酒量は増えています。もっとも国家にたてつく(主に労働基準法方面で)とある秘密組織で働くためには、アルコールは必要不可欠であり、とはいえ組織から支払われるギャラを考えるとあまりお金はかけられません。そんなことが、グラフにはよく現れています。
 そして、2004年。状況は急転します。
 とちょっと長くなったのと、特にネタのストックがないので、続きは次回。んじゃ、また。

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2008.02.06

VOL.671 昼下がりの喫茶店には愛がある

 こんにちは、武中です。

 休日に足を運んだ喫茶店。よくいくのですが、その日はじめてホットのカフェラテを頼みました。出てくるまでに、有川浩の恋愛短編小説「阪急電車」を読みます。
 やがて、運ばれてきたカフェラテ。カップをのぞけば、そこにはハートマークがふたつ描かれていました。
 ぼくは思わず微笑んでしまいました。シニカルに。
 

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2008.02.04

VOL.670 よく晴れた休日、喫茶店で1冊の本を開く

 こんにちは、武中です。

 「決戦である」

 陣頭指揮を執る上司の大号令。1週間後にやってくる決戦に備え、ぼくは猫奮迅の勢いで業務に取り掛かりました。
 山手線に乗られて天国まで逃避行したくなる気持ちを、「ぼくはできる子だから、ぼくはできる子だから」となだめすかし、睡眠時間と体重を削り、ぎりぎりでどうにかこうにか決戦兵器は完成。完璧ではないものの、十分に戦えるレベルのものであり、今のぼくの能力を考えればよくぞ完成まで持ち込めたというところです。
 心も体もフラフラではありましたが、後はこの決戦兵器をクライアントにぶっぱなすだけです。ぼくは、意志の力で決戦に挑みます。
 そんなぼくに上司が不敵な笑みを浮かべながら近寄ってきます。いよいよ、か。

 「この1週間、よくやった」
 「恐悦至極であります」
 「ところで、先ほどクライアントより連絡が入った」
 「…」
 「延期だ」
 「…」
 「この1週間、ご苦労だったな」

 そして、休日。足を運んだ先は、よくいく喫茶店。日当たりのいい窓際の席で、かふぇらてを注文し読書を楽しむ。平和だなぁ。次の戦争が始まる前に、このままぽっくり逝けてしまったら、それはそれで幸せな気がします。

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2008.01.25

VOL.669 決別、そして再会のとき

 こんにちは、武中です。

 かつて所属していた秘密組織を退役した旧隊員と飲む機会がありました。多分、気でも触れたんだと思うんですが、ガラにもなく幹事をやりました。
 幹事といったって、細やかな気配りとかそういうのムリな人だから、飲むとこと時間だけ決めて、あとは成り行き。世の幹事といわれる人らの偉大さを、再確認いたしました。
 さてさて、通常であればこういう久しぶりに会うときは、やめてからどうしたとか、近況を語るわけですが、ぼくの会話有効範囲の2/3はここを読んでいる人です。つまり、たいていのことはここに書いてあるわけです。
 それでも、全員が読んでいるという状況下であればいいのですが、中途半端にここの存在を知らない人もまざっているわけで、近況を話しても重複感があるわ、かといって舞台裏を話すとここの存在を話さざるを得ない。ちっ、すげく話しづらい状況だぜ。
 しかも、その状況で「水は低きに流れる」とか、同志クゼの台詞をぶつけ、ぼくがどう反応するか楽しんでいやがります。正直、「サイトー、そいつをよこせ!」と叫びたくなりましたが、ぼくは紳士だからとりあえず笑ってやり過ごしました。
 慣れない幹事だったり、ぼくの正体を知っている輩が埋伏しているとか、まったく気の抜けない状況で、アルコールを投入しても一向に酔いを感じませんでしたが、なんていうかこういう機会もたまにはよいものです。過去を肴に酒を飲むことが楽しくなるなんて、ぼくも歳をとったと思いますが、それもまたよいものです。

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2008.01.23

VOL.668 ファインダーの向こうにぼくらはいた

 こんにちは、武中です。

 忌まわしき歴史。悲しい記憶。痛む心を癒すすべはなく、ただただシャブにすがる日々。
 カニ、ブリ、そしてタイ。自らをさげすむぼくは、今と昔と、そして未来を忘れるためにすっかりシャブ中となってしまいました。今日は、タイしゃぶをキメるぜ。
 そんなことよりも、先日。モデルの仕事?的なことをしました。報酬はフレッシュネスバーガー。えへへ、大もうけ。
 デルモ(業界人風発言)の仕事なんて、多少、ポーズをつけたり、表情をつけたって、基本的には立ってるだけ。普段の仕事から考えたら、こんな楽なことで報酬(フレッシュネスバーガー)をもらえるなんて、ちょろい仕事ですな。
 じゃけえ、足が震えちょる。ぼくは、とてつもなく緊張するタイプです。カメラを向けられると、ダメなんですぅ。
 あ、思い出しちゃった。古い記憶を。
 ぼくがカメラに弱いということを知ったのは、ある出来事がきっかけ。そこで登場するのがここ数回「すな部」をにぎわしている、昔の彼女その人。
 ある日、ふたりしてカメラに収まるというモデルの仕事?的なことをしたのですが(無報酬)、そのときは多分残像が出るくらい震えてました。なに、このチキンハート。
 しかし、幸いにもその日は大寒波。「サ、サ、寒インダナ。ボ、ボクハ、寒イト震エルンダナ。オ、オニギリ、オシインダナ」とうまい具合にごまかしました。…ごまかせたかなぁ。正直、じ、自信はないんだな。
 そして、2008年冬。ぼくは、独り身の寂しさに震えているわけです。うまいなぁ、座布団よこせよ、おらおら。

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2008.01.21

VOL.667 悔恨から生まれた喜び、そして憎悪

 こんにちは、武中です。

 ブリしゃぶ、食べました。これが、想像以上においしい! びっくりでさあ。
 懸念していたのは、生臭さ。ブリってのは、けっこう味のある魚で、悪いほうに転がると臭みがでます。ブリしゃぶでは、臭みを取るためにショウガを使おうかとも思ったのですが、それだとショウガのほうが強くなるような気がしたのでちょっと考えました。
 そこで考えたのが大根おろし。これが、ヒット。まず、悲しみと悔恨に明け暮れた昨夜の晩餐にて使用した、「塩ぽん酢」と大根おろしとあわせます。さらに、昆布だしの中にも大根おろしを投入、煮立ったところでブリをしゃぶっとやります。
 油の乗ったブリのとろけるような口当たり。そして、鍋に入れた大根おろしと、塩ぽん酢の大根おろしのW効果で、爽やかな後味。個人的には、カニしゃぶより好きかも、これ。
 しかし、火の入り方のタイミングが難しく、早すぎても遅すぎても、風味が大きく変わります。でも、うまい。これ、昆布出汁を水からじゃなくて、酒でやっても面白いかも。広がるアイデア、束の間の喜び。その裏に隠された、過去の自分への憎悪。
 けっ、明日はタイしゃぶだぜ。ちくしょう。

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2008.01.18

VOL.666 豪華な晩餐の必然性

 こんにちは、武中です。

 前回からの続きですが、ま、なんというか昔の彼女にあったわけです。今のぼくからは想像もつかない、台詞ですが、そんな時代もあったわけです。
 激しく揺れ動くチキンハート。受容と拒絶を繰り返す視神経。しかし、最終的には、どうにもこうにも本人であることが、脳内王大人によって紛れもないご本人様であることが確認されたわけです。
 何年ぶり? 新帝国暦紀元前1600年以来だから…、途方もない月日が流れていることは間違いありません。
 しかし、しかしですよ。ここだけの話、なんていうか相変わらず、なんてレベルではなく、かわいさに恐ろしいほど磨きがかかっています。そらもう、触れたら切れるくらい。正直、左心室から右心房までが完全に大破してます。
 もし、過去に戻れるなら、なんでこんなかわいい子と別れたんだと、あのころのぼくをばっさりと袈裟懸けに斬り捨てます。悪即斬。
 彼女のかわいさったら、ある意味甲子園クラスです。なんていうの、高校球児憧れの最高峰。それが神のいたずらだったのか、そんな彼女と付き合うこととなったわけです。超番狂わせ。都立高旋風巻き起こる! みたいな感じでした。
 でもね、ぼくは甲子園出場で力尽きました。もう、どうしていいかわからないわけです。無心で地区予選を勝ち進んだものの、甲子園で戦う術は持っていませんでした。ましてやその先の未来なんて…。
 「お前たちは、よくやった。胸を張れ」なんて脳内監督は言ってましたが、そんな大層なことをやったわけではなく、むしろ詰め腹切ってわびるべきでした。未来のぼくに対して。
 時は戻り、極至近な過去へ。元彼女との遭遇にあたって完全に虚をつかれ、ぼくのシナプスが激しく暴走していましたが、ここでフリーズしている場合じゃありません。システムをサブに切り替えて、必要最小限のメモリとアプリケーションを駆使し、この戦局に挑みます。

 「ひさしぶり」
 「うん。元気だった?」
 「ぼちぼち、かな」
 「そう」
 「うん」
 「じゃあ」
 「じゃあ」

 会話終了。死ね。死んで、極至近の未来のぼくに詫びろ。

 食卓には、カニが並んでいます。鍋では昆布出汁がふつふつと煮えています。さっと、カニを出汁にくぐらせ、奥能登の海水塩を使った「塩ぽん酢」でいただく。ふわりとカニの身がほぐれ、つつましくも凛と振舞う塩ぽん酢が口の中で芸術的なハーモニーを奏でる。美味。これを美味といわずして、何を美味といいましょうか。
 続いて練りゴマと秋田の白神大豆のしょうゆに、ウニ醤を隠し味としてくわえて、ぼく特製のカニしゃぶ用ごまダレにつけてみました。ごまのコク、しょうゆの香り、なによりもウニの深みある味わい。やや半生のカニの身にからみ、これまた美味。塩ぽん酢が軽やかなピアノの音色だとしたら、こちらはゆったりとした弦楽の調べ。甲乙つけがたし。

 それは未来のぼくに斬り捨てられることを危惧した過去のぼくが、助命嘆願の意をこめて注文したカニしゃぶ1kgです。そら、おいしいさ。とてつもなくおいしいですよ。だからとって、ぼくがこれで許すとでも? 翻意するとでも思ったか、この痴れ者めがっ!
 というわけで、明日はブリしゃぶ。明後日はタイしゃぶ。明々後日は、再びカニしゃぶです。そら、心躍るさ。心躍るけど、ぼくはこれからカニを食べるたびに、過去のぼくに斬りつけたくなるんだろうなぁ。
 ふっ、命拾いしましたね、過去の武中とやら。生憎、ぼくは時を越える刀を持ち合わせていません。実に、残念ですよ。

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2008.01.16

VOL.665 交錯する時間世界

 こんにちは、武中です。

 先日、街でばったり昔の彼女に会いました。

 …

 …

 …なんですの、この違和感は? これが、ぼくの書く文章だとでもいうのですか? いったい、ぼくの身に何が?
 と、ひとしきり混乱をしたところで本題に戻りますが、そういうことがあったわけです。…ファンタジーじゃないですから。ぼくはまだ、平行世界を移り渡ってしまうほど、人類社会に絶望しているわけじゃありません。
 ばったり、っていうくらいですから、もっさりとか、はんなりとかではなく、そらもう突発的にもほどがあるって話です。
 最初目に入ったときは、「…ま、まさか。いや、そんなバカな。だが、本人? そんなことはないさね。多分、疲れている。じゃけえ、目がかすんでたりして、似ている要素を脳内センサーが誤認したに過ぎまいて」と、激しく動揺。
 「し、しかし。似ている。これは、本格的にぼくの心が病んでしまい、ぼくはぼくの望む世界を見ることができるようになってしまったのだろうか? ばんにゃーい。なんて喜んでいる場合ではない。目を覚ませ、武中! 見極めるんだ、写輪眼!」
 ぼくの心臓はボレロが13分過ぎたあたりの賑やかさ。これ以上の鼓動は、命に関ります。ぼくは、幻影世界に旅立とうとする精神を鼓舞し、マインドレベルをクールに強制シフト。
 「うん、違う。違うよ。やっぱあれだね、少し病んでた。だから、こんな幻を見てしまったんだ。危なかった。ぼくはまだ、この世界で戦わなきゃならないんだ。こんなところで、旅立ってたまるか!」
 どうにかこうにか折り合いをつけて、ぼくは夢の世界から帰還したわけで…、ち、違う! こいつは…、

<次回に続く>

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2008.01.14

VOL.664 年始

 あけましておめでとうございます、武中です。

 …なにか、問題でも? 別に、いいじゃないですか、今日が今年初めての更新なんですから。思えば、昨年末の12月。密かに毎日更新を狙っていたのですが、体調を崩したこともあって断念。そのまま、どうでもよくなってきて、気がついたらもう1月も半ばですよ。
 どれくらい、どうでもよくなっていたかというと、…多分、家のポストにはまだ年賀状が入ったまま。いや、1月1日だけはがんばったんですが、なんていうか心の中の非常にめんどくさい成分が増幅して、なんていうのかなぁ、いわゆる閉鎖世界が以上に恋しくなって、必要最小限の人付き合い以外はムリっぽくなっていたんです。
 なんて書くと、なんか精神が病んでる系な人っぽいですが、全然そんなことないよ。一説には、狂ったように「俺の屍を越えてゆけ」を再々…プレイしているからとか。どちらにせよ、ろくな理由ではないし、明日はポストを開けようと思います。
 そんなわけで、今年もユカイな年になりそうだし、皆様今年もよろしくお願いします。

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2007.11.30

VOL.640 12月の恒例更新

 こんにちは、ショートスティック武中です。

 12月ですねぇ。早いもんですねぇ。今年ももう終わりですよ。
 さて、12月といえば、ひたすらその年を振り返り、ベスト3をあげつづけるという苦行の季節であります。思えば、去年もそんな更新でした。…去年。なんかあまりよろしくない記憶の残滓がありますが、気にしないでおきましょう。
 さて、告知も終わってしまいました。他になにか書くことないかと、思ったのですが特にないわけで。フライングしてベスト3を始めるのも、なんですしねぇ。
 では、ネタにならなかったエピソードをいくつか書いてみますか。

「おにいちゃん」
けったいなあだ名がつきました。それが「おにいちゃん」。野太いおっさんからでも、やかましいがきんちょからでもなく、ぴちぴちぎゃるから。でも、もしかしたら二次元と三次元の境界線がぼやけているだけかもしれません。

「引き出物に巡洋艦」
結婚式に参列したら、引き出物をもらいました。中身は巡洋艦のプラモデル。新郎新婦曰く、それは「当たり」らしく、他の人には入っていないとのこと。喜ぶべきなんですか、これは。

「新・本屋のおねえさん」
よくいく本屋さんで働いていたむちむちな店員さんが辞めたらしく、新しい人が入ってきました。今度の人は、アニメ声の眼鏡っ娘。まだ、なれていないらしく恥ずかしそうに「い、いらっしゃいませ」という姿はいとよろし。

「竹繊維」
服屋にいったら、「こちらは竹繊維を使用しているんですよ」とやけになれなれしい店員から説明をうけました。そんでもって別の服を手に取ったら、「すみません。そちらは、竹繊維を使っておりません」と謝られました。いや、ぼく、一言も竹繊維の服が欲しいなんていってないのですが…。

「代表はあきらめてくれ」
ヒザの手術から1年。術後検診のため病院へ。意思はCTの結果をみながら、「代表でやれるほど回復はしていない。君のヒザは、プロでは通用しない」といわれました。いや、ただの一般人ですから。

「その辺の30分アニメ」
カールスモーキーの人がある長編アニメをさして「その辺の30分アニメとはちがいますね(笑」といっていました。その辺の30分アニメを舐めるな! と憤ったのですが、そのことに憤る自分に憤りを感じます。

「ユーディーのアトリエ」
PS2のパチンコ風雲録が切なかったので、景気づけにユーディーのアトリエを再プレイ。イリス以降、いかがなものかと思っていますが、ユーディーはよいです。原点に返ってくれないかなぁ、ガスト。

「猛打賞」
草野球チームで猛打賞。ぼく、すごい。ぼく、天才。上記のエピソードをみるとインドア派かと思われますが、一般的な評価としてはぼくは超スポーツマンで通っています。武中実記ではこっちのエピソードのほうが主軸です。

「10年サーブ」
構想10年。練りに練り上げた究極のサーブが今年ついに完成。「健太やります」の宿敵、王者・誠陵のナイアガラアタックなみにえげつない破壊力を手に入れたわけですが、対外試合をすることもないので持て余しています。正直、演習で核兵器ぶっぱなすようなものなので。どっかのバレーチームに入ろうかなぁ。

「太った」
体重が自己設定上限ラインに突入。ちぃ、まだ、忘年会は始まってもいないというのに。今年の冬は、ちょいと危険なニオイがするぜ。とかっこつけてる場合じゃないです。かっこつけてる場合じゃないけれど、きょうのおやつはチョコレートクッキーだよ。てへ。

 そんなわけで、次回からは2007年個人的ベスト3をお送りします。お楽しみにぃ。

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2007.11.29

VOL.639 後日談

 こんにちは、武中並です。

 ま、なんだね。いってきましたよ。女7:男3の夢のお食事会に。
 すごい勢いで仕事を終わらせ、出発前にはねっとさーふぃんをするゆとりっぷりを発揮。やればできるじゃん、ぼく。そして、この夢の企画を実現させた、神のような男とその配下の女子と連れ立って、いざ出陣。
 しかし、あれですよね。持って生まれた性質とでもいいましょうか、なんでぼくは無意識に隅っこのほうへ、隅っこのほうへといきたがるのでしょうか。
 そして、つつがなくお食事会は終了。なに、なんで本来ならメインである、お食事会のエピソードを語らぬかですって。
 だって、普通なんだもの。極端にマイワールドに閉じこもるでもなく、そこそこにしゃべり、やや多めに飲む。それだけ。可もなく不可もなくネタもなくオチもなく。ぼくにどうしろというんです、こんな状況で。
 ネタならネタ、ハッピーエンドならハッピーエンド。どっちかにして欲しい…、いやどっちとかじゃなくて後者で。こんなブログに使うネタなど、もういらんです。

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2007.11.28

VOL.638 たぁー

 こんにちは、武中虎侍です。

 所属する特殊部隊では、かわいそうな人として認識されているぼくですが、まあ、なにがかわいそうなのかっていうとあえて書く必要もありますまいて。
 そんなかわいそうライフをエンジョイしているわけですが、ってエンジョイなんてするかこのすっとこどっこい。とまあ、とにもかくにも孤独にどっぷり愛されちゃっているある日、特殊部隊の戦友からメールが来ました。曰く、「明日の夜、暇か」と。
 正直、暇ではないわけです。酒を飲むのはやぶさかではありませんが、いかんせんバンブーブレイドがぼくを待っているわけです。そんな生活および精神の中心たる存在、武礼葉(詐称)を蹴ってまで飲みに行く気はござんせん。
 しかし、そのメールを最後まで読むと、参加者のうち女性は60%を占めるとの一文があったわけです。気がつけば、「万事問題なし。参加つかまつる」と返信してました。ごめん、武礼葉。帰ったら、すぐに見るから。
 しかし、行ったところでせいぜいヘラヘラ笑うことくらいしかできないし、満たされるのは胃袋だけって感じになることは必至。ま、それで十分さね。ぼくには、武礼葉がいるし。うんうん。っていいのか、ぼく。いい加減、三次元世界に戻ろうよ。

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2007.11.27

VOL.637 オシャレ内閣

 こんにちは、武中マッカートニーです。

 先日、結婚式の二次会とやらに召集されました。そんでもって、ちょいとした出来心で気合をいれてみることにしました。うりゃ。
 鏡の前でガンマンよろしくドライヤーを構えセッティング。なにがすごいって、ぼくは普段ドライヤーなんか使わないわけで、この日のためにわざわざ買ったわけですよ。ドライヤーを。
 さらに、コンビニでちょいマットな整髪料を購入。なにがすごいって、<以下同文>。
 鏡の前で熱風吹き荒れること数十分。うん、いけてはるわ。きっと、もてもてやわ。ぼくはルンルンで家を出て、会場へと向かいます。

 「あははははははは、それはない!」

 会場でであった友人は、開口一番これですよ。ぼくは、死のうと思いました。でも、その前にこの心無き友人に蹴りをくれてやろうと思いました。思いましたっていうか、蹴りました。

 「ビートルズだ! ビートルズがやってきた! あひゃひゃひゃ」

 蹴りどころが悪かったのか、まだ嗤っています。ぼくは、死のうと思いました。でも、その前にこの忌々しい元友人をぐぅで殴ろうと思いました。思いましたっていうか、殴りました。

 「ごふっ。…無理しやがって、けけ」

 多分、こやつには悪魔が憑いてるに違いありません。さもなくば、かように人心を傷つけるべくもありません。ぼくは魔を封じるため、彼奴の額にマジックで印を書いてあげました。「肉」と書かなかっただけありがたく思え、下郎。
 その後、友人10人中6人に笑われ、3人に「えっ、武中君なの?だれかと思った」と驚かれ、1人に「似合ってるよ」といわれました。支持率10%、か。へへ。
 言いたいことを言えちゃうこんな世の中も、ポイズンだと思います。

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2007.11.23

VOL.636 イメージ

 こんにちは、武中糖です。

 イメージ先行。あまり面識はなくても、人づてに聞いてなんとなくのイメージができあがる、そんなことはありませんか。
 あんまり知らない人から、「確か●●が好きなんだよね」とかいわれると、あれ、なんで知ってるのこの人? とか思いますが話を聞くと共通の知人、友人から話を聞いたとかそんなこともあったりします。
 内向的であるぼくは、本質的には存在感が希薄な人間です。だから、そもそもイメージなんてものをもたれにくい存在だと思ってました。
 しかし、最近判明したのですが、所属する特殊部隊内でのぼくのイメージは、「なにかあったら女の人を紹介してあげなくてはかわいそうな人」と認識されているようです。
 それは、イメージではなく事実、ですと。なにをいう、兄弟。彼女がいないおかげで、ぼくは己が興味をだれに気兼ねすることなく追求することができるのです。これを幸せといわずして、なにを幸せというのか。
 なんていうか、こういうネタを書いていると、いよいよクリスマスって感じですねぇ。いまや、冬の風物詩! …見とけよ、来年はえげつないほど愛に満ち溢れたベタ甘ブログになるから! なるんだからー! 

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2007.11.17

VOL.635 鎌倉風

 こんにちは、武中頼朝です。

 先日、とある洋食屋さんに足を運びました。そこに、鎌倉風パスタなるものがありました。美味しくいただきました。おわり。

 どうせしょうもないブログなんですから、とても社会人が書いた文章とは思えぬような稚拙な内容を始終垂れ流したとしても、それはそれでよいと思うのですが、そうは問屋が卸さないぜよ、と心の中に住まう謎の土佐人が申しましたのでもうしばし、書きなぐろうと思います。

 鎌倉風。つまり、それはなにさ、って話です。たとえば、イタリア風って聞けば、なんとなくトマトとオリーブオイルが入ってるのかなと思うじゃん? ちょっと、気さくなハマっ子を演じてみました。えっへん。
 たとえば、田舎風っていったら、なんか野菜とかごろごろ入ってるのかなって思いかねますまい。 ちょっと鉄壁なミュラーを演じてみました。えっへん。
 でも、鎌倉風。それは、なにさって話です。なんか文章がドッペルゲンガってますが、気にしなさんな。
 なんていうか、いまひとつイメージしにくいわけです。素材的にとか、調理法的にとか。というわけで、鎌倉について考えてみました。
 ぼくにとっての鎌倉の記憶。とりあえず、ベスト3でもあげてみましょうか。

3位 さくら、鎌倉はどっちだ?

 いわずと知れた、映画「男はつらいよ」に出てくる寅さんの名台詞です。多分。なんか鎌倉にマドンナ的存在がいて、寅さんが妹のさくらに鎌倉の方向を聞いて、まっすぐに向かう、そらもう人の家とかそんなん無視してまっすぐに向かうという話です。
 ここから推察するに、鎌倉とは「まっすぐ」なものであるとイメージできます。ならば、そのパスタはどこまでもまっすぐ。アルデンテなんてもってのほか。乾燥パスタどーんって感じ、かな。

2位 切通し

 鎌倉といえば、切通しですよね! ウィキペディアの解説を引用しますと「山や丘などを掘削し、人馬の交通を行えるようにした道の事」。ぼくはリアス式海岸とかフィヨルドとか、「なんか切り立ってる感じの地形萌」っぽいんです。てへ。
 そんでまあ切通しからイメージすると、切り立つパスタ! うん、意味わかりませんなぁ。どんまい、どんまい、気にしなさんな。
 ちなみに、鋭さはそんなにありませんが、大陸棚もちょっと萌えます。

1位 水上さん

 やっぱりはずせないですよね、水上さん。だれかって? そんなことも知らないのですか? ほら、鎌倉遠足のとき同じ班になったとてもかわいかった水上さんですよ。
 同じ班になったら死んでも良い、と思ったら同じ班になってしまい危うく命を落としかけたことで有名ですよね。いいはんつくろう、水上幕府。
 あれは、実に楽しかったです。他に数名の班員がいたはずですが、キレイに記憶からは消去。ふたりだけの良き思い出といっても過言です。
 この事例から、鎌倉をイメージしますと、美しき愛のメモリー。つまりは、松崎しげる! イコール、ブラック! いかすみパスタ! いえーい!

 結論。鎌倉風パスタとは、切り立つようにそびえる乾燥パスタにいかすみソースがかかったものになるわけです。理論的には。
 しかし、現実とはそんなものではありません。でてきたそれは、ボロネーゼ。(わからない人は、イタリアに行け。そして、ぼくにお土産を買ってきてください。それがムリなら、イタリアンガールでも紹介してください。でも、イタリアンといってもソレッタみたいのは趣味じゃないので大和撫子なイタリアンガールにしてください)

 うん、だいぶ調子がいいです。なにも書くことない状況から、ここまで書いたのですから。大丈夫、ぼくはまだやれるさ。

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2007.11.07

VOL.634 神話の戦士たち

 こんにちは、武中・ハインツ・シュナイダーです。

 先日、公園で友達とフットサルをやりました。小一時間ほどいい歳してハッスルしておりますと、ぼくらとは反対側のスペースでサッカーをしていた少年らがなにやらにじり寄ってきました。

「試合しませんか?」

 こうみえてもぼくらは、この公園の覇者です。これまで数多くの少年たちの挑戦を跳ね除けてきた古強者。それが、ぼくらです。
 しかし、今日の敵は明らかにこれまでと違います。ただならぬ気配を感じたぼくらのキャプテンは、問いました。

「時に君たちは何年生だ?」
「小六です!」
「小六!?」
「小六だって?」
「なんてこったい」
「ちょっと待て、少年。」

 レッツ円陣。そして少年たちに聞こえないよう、キャプテンは秘伝の闇語りにてメンバーに語りだしました。

「俺たちは、この公園で不敗神話を築いてきた。それは、なぜか」
「U-10世代としか戦っていないからだ!」
「その通り。だが、彼らは違う」
「小六…か」
「これまでの相手とは格が違う。勝てるのか、俺たちに」
「あきらめるな、小六といえども同じ人間だ!」
「勝負は、下駄を履くまでわからねえってもんさ」
「やろうぜ。キャプテン」
「みんな…。よし、いこう!」
「おう!」

 ぼくらは中途半端に長い民主主義的な会議の末、少年らの挑戦を受けることにしました。
 しかし、最近の少年たちはうまいですねぇ。技術レベルでは、あきらかに相手のほうが上です。
 でもねぇ、技術レベルの差が戦力の決定的な差にはならんのですよ。坊やたちに、大人の戦いってやつをみせてやります。
 少年らの誤算は、大人の体は大きいということ。少年サッカーでは通用するパスも、大人の足はそれを通しません。
 少年たちの連携は寸断され、逆にこちらは連携することで個対複数の要領で戦局を有利にすすめます。ヤン・ウェンリーお得意の各個撃破を髣髴させる戦いぷりでした。
 気がつけば、前半終わって5対0。相手に打たれたシュートはわずかに1。圧倒的です。
 後半になって小学生チームにエースとやらが入り、少年たちの混乱も収まり2点をあげましたが、昭和の力を覚醒した大人たちは後半も4点をいれ圧勝。大人の威厳を見せ付けてやりました。
 後日、強烈な腰痛に見舞われました。威厳を保つというのは、なかなかにくたびれます。

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2007.10.31

VOL.633 英雄の一日

 こんにちは、武中新八です。

 先日、ひっそりと誕生日を迎えました。人類にとって記念すべきこの日は、奇しくも休日でありました。ぼくは、珍しく早起きをしました。ふふふ、小鳥さん、おはよう。
 ひとつノビをしたあと、今日のスケジュールを確認。…えーっと、特になし。うふふ、小鳥さん、おはよう。
 そういうわけなので、銀魂を見ることにしました。後の時代、21世紀を代表する偉人と呼ばれるはずのぼくが、30話ぶっつづけで銀魂を見るという現実。なんのために、ぼくは早起きしたのでしょうか。うふふ、小鳥さん、おやすみなさい。

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2007.10.29

VOL.632 ドッペルゲンガーっているんだね

 こんにちは、ニセ武中です。

 ぼくと比べてしまえば、英国紳士なんて裸で赤いバラを加えながらコサックダンスを踊る蛮人にも等しいわけです。ぼくはいついかなるときも、理性とともにあり、まず人前で乱れたりはしないわけです。いいかえれば、ノリが悪いわけですが、それをいうと本気でへこむ。正しいことほど、体に悪いもんはありませんなぁ。やれやれ。
 そんなある日の酒席。いつもどおりのむさ苦しいメンバーと、むさ苦しい会話を肴に、むさ苦しくビールをあおってました。

「しかし、あれだね。このメンバーじゃ盛り上がるものも盛り上がらないねぇ」
「君も、その要因のひとつだけどね」
「花がない。花が」
「まったくです。たまには、ぼくのテンションがあがるようなもてなしをしてほしいものです」
「この前、テンションあがってたよね」

 なにやらいわれなき、風評被害の予感。

「前回の飲み会に女子がいたのは覚えてるよね」
「もちろんです」
「覚えていることは」
「ぼくはいつもどおりの紳士的態度で彼女らに接していましたが、それがなにか」
「ここに一枚の写真がある」
「?」
「ここに君が写っている」
「なぜ、ぼくの写真を君が? ああ、ごめん。君の気持ちには答えられそうにないですから。そっちのケはないですし。女子の人のみ大好きですから」
「黙れ。そして、これを見ろ」
「なんですか。ストーカーの証拠物件ですか? なに犯人自ら提供してるんですか? 小粋なレストランのシェフじゃないんですから、自ら供さないでも…」
「いい笑顔だろ」
「…だ、だれですの、この殿方は?」

 そこにはどことなく気品のある好青年がだらしない…、どちょっとだけ夏の日差しに照らされてちょっぴり浮かれちゃってる感じの好青年が、女子の人とへらへらとした表情で写っています。
 かーっ、情けない。侍の国の日本男児がこうもちゃらちゃらとした…、あれれれ、ぼくに似てますね。
 他人の空似ってあるんですねぇ。

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2007.10.28

VOL.631 さらば、第630公園偵察部隊

 こんにちは、武中寿です。今回は、「VOL.630 第630後援偵察部隊、結成」の続きです。

 第630公園偵察部隊。後世の歴史家達から「ハーレム小隊」と呼ばれることとなる、ぼくと好男子たるぼくの友と女子隊員で構成された夢と希望の具現化存在。しかし、その栄光も長くは続かなかったのです。
 女子隊員保有率No.1となり、他部隊の羨望と憎悪を一手に引き受けたハーレム小隊でしたが、散策という名の園内見廻り中に他部隊の気配を感じました。

「林の向こうから声がするね、武中君」
「他の部隊のようだね」

 ぼくらは、歩みを止めることなく、声のする方へと向かいました。そして、林を抜けた先に、ついに彼らの姿を認めました。

「いるね」
「中に10人、外に7人ってところかな」
「…行くのかい」

 友と、そして夢と希望の女子隊員が心配そうな目で見つめてきます。ぼくは、微笑をたたえながらうなずきました。その視線の先には、バスケットコート。
 だって、ぼくの中の三井君がいうんです。「バスケットがしたいです」って。足がまだ本調子じゃないって言ったんだけど、「ぶっ潰す」とかって脅すんです。
 ぼくは、そこでハーレム小隊を抜け、湘北高校バスケ部脳内設定)に復帰することになりました。脳内の三井君は、髪を切ってしおらしくしてますが、脳内部員たちと打ち解けるにはまだ時間がかかるだろう、なんて脳内木暮副キャプテンもいってます。もう、なにがなんだか…。
 ちょうど、そのころ。バスケにでてる面子のひとりが、「疲れた。だれか変わって」といいました。ぼくは、ジャケットを脱ぎ捨て、「出ます」と一言残しコートに向かいました。
 「大丈夫なのか」。同僚の赤木(仮)が問いかけます。「この、天才に愚問を」と答えるぼく。キャラ設定が混線してますが、それは老化現象の一種。気にするな。
 そこで、無茶するほどバカではないので、ぼくは抑え目のプレイを心がけます。しかし、これがたまたま功をそうし、旅先ではめをはずし、テンション上がり目のメンバーのなかで唯一冷静にプレイするぼく。まるで、ベンチにいるときの藤間のよう。
 閑話休題。要約すれば、活躍しました。遊びだというのに、きちんとスクリーンアウトをし、ゴール下を完全に支配化におきました。